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見方を変えてみよう! × 久村卓

コラムその3:彫刻ってなんだろう

トキトキ:彫刻と彫刻でないものの違い?

久村:そうだなぁ。トキトキはどんなものを彫刻って思うかな?例えば立派な台座の上に乗っている騎馬像なんかはどうかな?まさに典型的な彫刻といえるものだけれど。

トキトキ:うんうん。彫刻だと思うよ。

久村:あの壁のシャツの彫刻なんだけどね、胸の部分に額縁が付いてるでしょ、その中に騎馬像の彫刻があるんだよ。この騎馬像見たことないかな?そうそう、有名なブランドのマークだよ。それに台座を刺繍して、彫刻に仕立てているんだよ。

トキトキ:ほんとだ。シャツの中に彫刻がいた!

久村:そうそう、台座に乗せて、額縁に入れるっていう二手間で、ロゴマークが彫刻になってるよね。近所で古着の洋服を買ってきて、自分の家でチクチク刺繍するんだけど、材料を手に入れたり、仕事をする際にも“軽くて”良いんだ。

これのどこが彫刻なんだろうって思う人もいると思うけど、「こんなんでもいいんだね」って思う人もいるんだよね。現代では美術の幅はすごく広がっていて、あらゆるものが美術になる可能性があるよね。でも、なんでこれが美術になっているのかっていうのは、絶対的に理由があるんだよね。社会的なこととか、場所のこととか、その状況とかなんだけど、僕は普段彫刻と思ったことのないものを、どうしたら彫刻にみえますかってことをいつも考えてる。彫刻も含めた美術ってものは特別なものって思われがちだけど、そればっかりじゃないよって事を知ってほしいと思っているんだ。

トキトキ:彫刻って、なんかカチカチ!みたいなイメージがあったけど違うんだね。

久村:僕の思っている彫刻のイメージと、トキトキの思っている彫刻のイメージは違って当たり前で、みんなちょっとずつ違うんだよ。難しく言うと「彫刻の概念」かな。例えば、彫刻は技法であるという見方をすると、じゃあ削ったりとかそれを盛ったりとか、そういう行為としていろいろ考えていけば、日常的にやっていることも彫刻なのかなって思えてくる。そうだなぁ…例えばパンにマーガリンを塗るとか。ほかにも、かくれんぼもとかでも、場所を触ってみるとか、触ってかたさを知るとか、隙間に入って大きさを知るとかも、彫刻でも似たようなことをやっている。
かくれんぼとか、マーガリンを塗ることとか、彫刻がそういったものと似ているみたいなことに気付ければ、いわゆる金属みたいなカチカチのもので溶接して削るとかしなくても、別のやり方で彫刻つくれるんだよ。ちょっと見方を変えるってのが大切かな。

トキトキ:見方を変える、かぁ。なんだか楽しそう。

久村:これが彫刻なのか彫刻じゃないのか、その変わる瞬間が人それぞれで違うから面白いんだよ。そうして知っていくと、どんどん、なんでもないものが彫刻に見えてくるというか、特別なものに見えてくるんだよね。ちょっとやりすぎると疲れちゃうけど。

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